Posts in 着物作り

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芯のある女性

    春はおしゃれ色のギアが一段上がる、カラーズ京都の長瀬澄人です。   春の到来に、気分的にも軽やかな色を着たくなる時期ですね。 ただいまストック用に付け下げを数反、同時に染めていますが、無意識にどれも爽やかな配色になってくるから不思議です。   いい加減、そろそろ桜も咲いてほしいところですが、今ちょうど学生さんたちは春休みの時期ということで、電車に乗っていても、街中を歩いていても、ウキウキな空気が感じられます。   さて先日、4月から大学生というとても若いお客様がお見えでした。 カラーズ京都は、20〜60代と、幅広いお客様がお見えになりますが、お母さんの付き添いでなく、10代のお客様が自らお越しになるのは初めてのことです。 なんでも、4月から京都の大学に入学することが決まり、同時に念願の京都生活が始まるということで、もともと興味を持っていた着物も、知識を深めたいからお店をリサーチしていたそうです。 ひとまず着付けも、「習うより慣れよ」で、Youtubeなどを見ながら一応把握したという行動派。   染上がっている反物を広げながら、簡単に作業工程や、色に素材のこと、コーディネートの楽しさなどをお話しさせていただきましたが、目をキラキラ輝かせながら聞き入ってもらえると、こちらもとっても有意義な気持ちになりますね。 すぐダメになるものや、飽きやすいものは避ける、いわゆる良質志向なご家庭で育ってきたらしく、また本人も長く使える良いものを大切にケアする性格だそうで、京都に下宿に来る際も、小学5年生で買ってもらった自転車を、こちらに持ってきたとのこと。   めっちゃ偉いですよね。物が溢れる時代に、20年近く若い方からそんな芯の通った素敵なお話を聞くと、涙腺の緩んだオジサンとしては泣きそうになります。(笑)   心が美しい人は、着物姿にもそれが反映するというのが私の持論ですので、素敵に着物を着こなしていらっしゃるところがイメージができます。 カラーズのセンスも概ね気に入ってもらえたようで、いつかお金を貯めて注文しに来ますと言ってくださってました。 そのときには、とびきり素敵な着物を染め上げたいと思います。     カラーズ京都では、お若い方も大人の方も、また女性だけでなく男性も、その方にピッタリな着物や帯をカスタマイズしております。[…]

スローな時間軸

  着物を通じて多くを学ぶ、カラーズ京都の長瀬澄人です。   すでに3月も終盤に差し掛かり、もう春休みに入っている学生も多い時期になりましたが、カラーズでは年末年始にいただいたご注文が、ようやく全ての作業工程が済み、あと残すところ仕立てや発送の準備というところにきました。 一つ一つを人間の手作業で行うというのは、大変ですねと言ってくださることも多いですが、それが職人仕事の大原則です。 そして、何かと効率化や、時短傾向にある世の中に、逆流しているかのようにも見えますが、作業に集中する時間軸を、ブレないように保つことが、まず先決です。   最近では、ネットショッピングの利便性が高まり、それが実際の配達業務のキャパを上回るため、配送ドライバー不足という事態が起きているということが話題になっています。 今後、もしかしたら最短着日が1日後にズレるようなことも有り得ることだそうですね。   カラーズ京都でも、宅配便はよくお世話になっています。 確かにこれまでは、京都から東京に送ったとして、翌日の午前着指定でもスムーズに届くことが普通でした。 しかしよく考えてみたら、そのサービスを提供してくれていることの有り難みや感謝の気持ちを忘れて、あたかも当たり前かのように考えるのは、少し傲慢なようにも思います。 パンクしそうなくらいフル回転で、頑張って働いてくださっている方々のことを思うと、多少の時間差くらいは、なんでもないと考えることが大事ですね。   カラーズでお預かりする注文は、中には日が迫っている特急オーダーもありますが、「そこまで急ぎはしないので、ゆっくりと作ってください」と、とても寛容に言ってくださることが多いです。 もちろん、一定の期間が必要であることを承知でご注文くださる訳なので、待つことが前提にはなるのですが、ご理解いただくことに対し、改めて感謝の気持ちで染めることを忘れないようにしたいですね。   思うに、着物を着るという生活は、現代人でありながらも、自分の中で、また他人に対しても、スローな時間軸を使い分けられるようにしてくれるのかなぁと感じます。 着物に向き合う中で、本当にたくさんのことを学ぶことができるなと、しみじみ思う今日このごろです。    

仰々しくないフォーマル

  カジュアル着物もフォーマル着物も、どちらも得意なカラーズ京都の長瀬澄人です。   これから3月4月にかけて、卒業式や入学式などのイベントが控えており、フォーマル着物の登場シーンが増える時期になってきます。 それに間に合わせる形で、染の作業は佳境を迎え、私の腰痛も佳境を迎えています。   さて、カラーズ京都では、基本的にどんな着物でも作ることができるのですが、一番ご注文が多いのは、ややカジュアルな雰囲気もあるくらいの、仰々しくないフォーマルな着物です。 いろいろと探してみても、うんとカジュアルか、うんとフォーマルかのどちらかしか見つからず、品質やセンスを含め、ちょうどいいリラックス感とフォーマル感というバランスの着物がないとのこと。   カラーズでは、これらを合わせ持つ「リラクシングフォーマル」という位置付けで製作しています。 袋帯でフォーマルに、名古屋帯だとカジュアルも可というタイプですね。 ただでさえ、訪問着やら付け下げやら、付け下げ訪問着やら、ややこしいところを、さらにややこしくしてしまったならすみません。(汗)     私は価格の低いカジュアルな小紋の方が、よく売れるものだと思い込んでいたのですが、意外にも反対でした。 これはある意味嬉しい誤算で、カラーズの着物について、多くの人が 「ラフに着る普段着より、きちんとした装いとして着たい」 と認識していただけていると受け止めています。   これっていう時の勝負着に選んでいただけるということは、とても嬉しいことです。 普段着としても着てもらえると、さらに嬉しいんですけどね。(笑)   確かに、オーダーメイドという形をイメージすると、デイリーというよりも、ドレッシーなものを注文したくなるのも当然です。   そして、今の着物アクティブユーザーさんは、みな緩急の使い分けが上手で、ラフなスタイルで着る日と、良いものをきちんと着る日、というふうにメリハリを効かせて楽しんでいらっしゃるということも、とても強く感じます。[…]

着物を着られないストレス

  おしゃれに染めるばかりでなく、自分も着て楽しみたい、カラーズ京都の長瀬澄人です。   たいへん有り難いことに、このところ染の作業や、その他様々な業務に追われる状況でして、 自分がゆっくりと着物を着ることができずにいます。 ご注文いただいておいて、こう言うのも何ですが、着物を着られていないのが少しストレスになっているのかなと。 せめて週一くらいは着物を着たいと思い、土曜日はなるべく染の作業をしないようにしているのですが、結局忙しいときにはそうもいきません。   「日が明るい中、着物を着て、深く息をする」 という行為が、いかに自分の中でリフレッシュになっているか、というのを実感します。   毎日触れ、撫で、引っ張り、押さえ、着色している、シルクの感触を、袖を通して体感したいという気持ちも、どこかにあるのかもしれません。 これは、製作の実務を行う職人だからこそ、感じることのできる視点なのではないかと思います。     さらには、生地を織ってくださる職人さんや、養蚕農家さん、果ては糸を吐き出してくれる蚕さんにまで感謝の気持ちが溢れてきたりもしますね。   そんなことに思いを巡らせながら、ゆっくり着物を着て、深呼吸して、お茶やコーヒーを一服するというような贅沢を味わいたいものです。 でも、空腹は最良の調味料とも言えますので、ストレスさえ味方にして、ご注文のおかげで労働できるということに感謝しながら、染めるのがいいですね。 ゆっくり着られる時が来れば、その時はクールを装いつつ、いつもより強めのドヤ顔で過ごしたいと思います。      

深イイ美しさ

  シンプルでベーシックなのに、オシャレに染めることを忘れない、カラーズ京都の長瀬澄人です。   カラーズ京都は、染めのアトリエをベースとした着物ショップです。 全てをお見せ出来ないのが残念なのですが、カラーズ京都では常に新しい柄や、旧作の更新など、日々ものづくりをしています。   型を使用するとはいえ、全てが手作業でのハンドメイド製作であるため、生産数はとても少量で、かつ時間をかけて作ります。 一点しか製作しない柄なども珍しくありません。 そして、カラーズ京都のものづくりで、とても大切にしていることは、品質と洗練されたセンス、飽きの来ない色とデザイン、派手さばかりではない奥行きのある美しさ、などなど。     カラーズでは、アトリエ業務として、他ブランドさんの染めの委託を受ける仕事も多いのですが、そこではなかなか表現し切れない、先述したような部分を、私自身のアイデアとこだわりを持って製作しています。 そしてもう一方で、それらのこだわりと等しく大切にしていることは、それを着る人が、今まで以上に素敵になる着物を作るということです。   私の師匠は、「お客がどこかで恥をかくような、みっともないセンスの着物を絶対に染めるな」 「表面的な派手さに頼ったものづくりをするな。それは子供騙しでしかない。結果、お客を馬鹿にしていることになる。」 「シンプルなのに良さがにじみ出るように仕上げろ。」 と、厳しくも愛情のある指導をしてくれました。 それは言い換えれば、お客さまをいかに深い部分で美しくできるかが大切だという、私にとっての金言です。   カラーズ京都は、ゆっくりではありますが、常にハイセンスで深イイ美しさを大切に、これからも続けていきたいと思います。 よろしくお願いいたします。 そして、そのように申し上げつつ、この4日5日の土日は、私用で連休とさせていただきます。 よろしくお願いいたします。  

カラーズ京都の七五三着物について

    子どもの着物もおしゃれに染めてしまう、カラーズ京都の長瀬澄人です。   さて、秋も深まってきましたが、そろそろ七五三シーズンに突入しました。 「七五三用の、子どもの着物を作ることは可能ですか?」 というお問い合わせ、ご相談をいただくことも、ちらほらありますので、その件について。 カラーズ京都は、アトリエショップですので、お子さんの着物も、もちろん製作できます。 女の子、男の子、どちらも製作可能です。     せっかくの節目なので、七五三を目一杯おしゃれにしてあげたいという親御さんは多いと思います。 近年、大型の写真館などでは、大量の衣装の中から、好きなものを選んで綺麗に写真を撮るようなサービスが当たり前になってきました。   しかし、カラーズにご相談いただくお客様の多くは、そういったお店にはない質やセンスを求めていらっしゃいます。   まだ10歳にも満たないお子さんのために、着物をオーダーするなんて、とても贅沢なことのように感じられますが、御参りの日以外の日程での写真撮りができることや、思い出として残すこと、さらには次の代のお孫さん世代に受け継がれることもあるかもしれません。 特に姉妹や兄弟、何度か七五三を迎えるご家庭は、作るという選択をされるケースが多くなります。   カラーズで製作するお子さまの着物は、他とは違うテイストになりますので、差がつくことは間違いありません。 そして、かけがえのない鮮やかな思い出になることと思います。 来年、再来年辺りに七五三をお迎えになる親御さんは、ぜひ一度ご相談ください。 お待ちしております。 お問い合わせは→こちら  […]

職人とコミュニケーション

    おしゃれな着物を染めるため、心のおしゃれを重視する、カラーズ京都の長瀬澄人です。   今日は真面目に、ちょっとお堅いですが、着物の染工房という業種について書いてみようかと思います。 着物を染める仕事と聞くと、なんだか芸術的で、繊細で、おくゆかしいなどなど、耳触りの良い印象かもしれませんが、これから書くことは、それとは掛け離れたネガティブな内容が多いです。 しかし、決して愚痴や不満を言いたい訳ではなく、着物製作現場の実状を、私の実体験に基づいたレポートとして捉えていただければと思います。 カラーズ京都が属している「板場」と呼ばれる原始的な型染めに限定して書いてみますが、少なからず他の製作現場にも共通点はあるかと思います。     今現在、京都市内で実際に稼働している板場は、大小合わせて約100軒を切るくらいと言われています。 昭和40年代からバブル時代にかけての最盛期には、1万軒をゆうに超えるとも言われたことからすると、当時から比べて99%の減少と、目を覆いたいくらいの縮小率です。 最盛期に異常に多過ぎたということもありますが、比較すると、もはや絶滅寸前とも言えます。 そして、さらにその100軒のうち、後継者がなく、今後10年以内に事実上廃業になると見込まれる割合は、約8~9割と予想されます。 時間の問題で、ほとんど無くなってしまうのです。   では、いま現存する染工場はどのような体制かと言いますと、約7割は家内制工業として、自宅の一部が工場になっているような形で、家族で手分けして業務を行っていたり、一人二人くらいの職人さんを雇い、回している形が多いです。 そして、残り3割は企業として5〜10名くらいの人員を維持しながら存続しているというのが、大まかな内容です。 では、実際に染の作業に従事する職人の年代層を見てみると、 70代…50% 60代…30% 50代…10% 40代…7% 30代…2% 20代…1%[…]

COLORS KYOTOの型染工程

  おしゃれな着物だけしか染める手を持たない、カラーズ京都の長瀬澄人です。 今回は、カラーズ京都の型染の工程を、ダイジェストで紹介させていただきます。 ただ、掲載写真は2011年当時のものですので、今よりも約5年前のものです。 当然私も5年若い、31歳の頃ですから、今よりも多少肌つやが良いところも、一応見どころの一つです。   型糸目という作業です。 防染糊という米原料の糊を、駒ベラという専用のヘラで均一に生地に下ろします。 この作業が、職人修行で一番反復することの多い作業です。 駒捌きが秀逸な職人の動きは、とてもリズミカルで、それだけでも美しさがあります。       型糸目が済んだところ。 これが柄の縁取りとして、完成すると白い境界線になります。 写真では、柄が見えやすいように、グレーに着色してありますが、仕上がりは白です。 駒ベラの捌きが悪いと、糸目の線が太く潰れたり、綺麗な仕上がりになりません。       続いて着色作業です。 柄部分を彫り抜いた型紙を合わせ、専用の刷毛で色を摺り込んでいきます。 色の数が多い配色になるにつれ、当然型紙の枚数も多くなり、重厚な仕上がりになります。 これも職人修行で反復が必要。 駒捌きよりも、腰の負担が大きく、私も修行時代に慢性的な腰痛と常に闘っていたことを思い出します。[…]

着物を染める

  おしゃれな着物を染めたら止まることを知らないカラーズ京都の長瀬澄人です。   汗ばむ陽気の中、今日もハツラツと着物を染めています。 カラーズは染めのアトリエ&ショップということで、染めの作業が多い時には職人脳を働かせて作業にあたり、それ以外の時はデザインやコーディネートを考えたり、そしてお客様がお見えの際には接客し、という具合に各業務を行っています。 オープンから約ひと月の間にお客様からのお問い合わせで一番多かったのは、「小物類の取り扱いはないのですか?」という内容です。 カラーズは、着物や帯全般を染めることが通常で、帯揚げなどの小物や、長襦袢などは、パーソナルオーダーに限って染めることをしてきました。 特に帯揚げなどは、大量に量産しないと、採算を採るのが難しい商品ですので、ひとまず見送ることにしておりました。 ですが、ご要望があるのであれば、帯揚げも制作してゆくことを考えております。 素材を吟味したり、染めの方向を決めることが必要ですので、もうしばらく先になるかと思いますが、そのうちカラーズの帯揚げをお届けできる時が来ると思います。 毎日の染めの作業と平行して、進めていきますので、今しばらくお待ちください。 カラーズについて詳しくは下記オンラインショップにて。

心を込めたモノづくり

おしゃれな着物を染めることしかできないカラーズ京都の長瀬澄人です。   地震の状況は心配ではありますが、毎日の業務が可能な状況である限り、目の前の仕事に全力で取り組むべきだと考え、今日も着物を染めています。   単衣の注文品を、今染めているというのは通例では遅すぎるのですが、カラーズではフレキシブルに要望にお応えするアトリエですので、特急で染めることもあります。   なるべくお客様の要望に沿いながらも、想像していた以上に喜んでいただけるような工夫を凝らして作っています。     着用頻度は個人差が大きいものですが、誰もが着物を着る時というのは、特別な気持ちを持って着るものだと考えます。 その特別な時間を、本当に心から素晴らしいと感じてもらうためには、作る人間の心も、そこに向いてなくてはなりません。     物と向き合う仕事であると同時に、それを着る人を想うことを大切にする職人であるように、心を保ちたいと思います。     カラーズでは、随時お客様の相談をお聞きして、コーディネートや誂えの提案をしております。 どんなご質問、ご要望も、お気軽にご連絡下さい。 お待ちしております。