おしゃれに染めるばかりでなく、自分も着て楽しみたい、カラーズ京都の長瀬澄人です。
たいへん有り難いことに、このところ染の作業や、その他様々な業務に追われる状況でして、
自分がゆっくりと着物を着ることができずにいます。
ご注文いただいておいて、こう言うのも何ですが、着物を着られていないのが少しストレスになっているのかなと。
せめて週一くらいは着物を着たいと思い、土曜日はなるべく染の作業をしないようにしているのですが、結局忙しいときにはそうもいきません。
「日が明るい中、着物を着て、深く息をする」
という行為が、いかに自分の中でリフレッシュになっているか、というのを実感します。
毎日触れ、撫で、引っ張り、押さえ、着色している、シルクの感触を、袖を通して体感したいという気持ちも、どこかにあるのかもしれません。
これは、製作の実務を行う職人だからこそ、感じることのできる視点なのではないかと思います。
さらには、生地を織ってくださる職人さんや、養蚕農家さん、果ては糸を吐き出してくれる蚕さんにまで感謝の気持ちが溢れてきたりもしますね。
そんなことに思いを巡らせながら、ゆっくり着物を着て、深呼吸して、お茶やコーヒーを一服するというような贅沢を味わいたいものです。
でも、空腹は最良の調味料とも言えますので、ストレスさえ味方にして、ご注文のおかげで労働できるということに感謝しながら、染めるのがいいですね。
ゆっくり着られる時が来れば、その時はクールを装いつつ、いつもより強めのドヤ顔で過ごしたいと思います。
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