毎日おしゃれな着物を染めても、まだ染め足りない、カラーズ京都の長瀬澄人です。
オリンピックの閉会式では、小池百合子都知事の着物姿が印象的でした。
知事になって間も無く、おそらく職務に忙殺される日が続く中、それでも地球の裏側まで着物の準備を整えて、あの場に立ったということに、この上ない敬意を払いたいと思います。
ネット上では、着付けの良し悪しや、雨に濡れた着物がどうなるのか、といった議論もあるようですが、制作者目線で考えてみたら、遥かブラジルの地に、日本で作られた着物を着て立っているという事実だけで、とても感動させられるものがあります。
そして雨降る中、凛とした表情で立つ姿に、日本的な侘び寂びがあるように私は感じました。
きっと東京オリンピックが開催される時に、各国の文化を表す衣服で立つゲストを見たら、それだけで感動できるのではないかと思います。
永い人類の歴史の中で、今だからこそ目の当たりにできる光景を、素直に賞賛することに意義があるように考えます。
もしもどこかのオリンピックに招かれるようなことがあったとしたら、雨だろうと雪だろうと、必ず着物で行きたいなぁと考えるのは、きっと私だけではないだろうと思いました。
改めて、着物を作る仕事をしていて良かったと感じるきっかけを頂き、感謝したいと思います。
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